企画展「皆野の俳句 戦前編」開催中
皆野町役場1Fロビーにて企画展「皆野の俳句 戦前編」が行われています。
この企画展では「大正からはじまった皆野の俳句を見る」というテーマで
大正時代の皆野俳句の黎明期から昭和16年、第二次世界大戦前までの約15年間に焦点をあてて紹介しています。
皆野俳句に関する貴重な資料を展示しています
令和3年2月4日、金子伊昔紅氏の住宅兼医院であった旧壺春堂醫院主屋・土蔵が国の登録有形文化財に登録されたことを契機に収蔵資料の整理が開始され、俳誌や日記、色紙などが次々と見つかりました。
企画展のロビーでは時代に沿った説明や年表に加えて前述の貴重な資料が展示されています。
今回の企画展を企画した皆野町教育委員会デジタルミュージアム編纂室の社会教育担当の方によれば、今後は戦中、戦後と企画は続くとのこと。
俳人金子兜太のふるさと皆野町における創作の背景の一端が伺え、また皆野町と俳句の関りへの理解が深まる良い機会と言えます。
尚、本企画展の展示内容他は後日、以下のWebサイトでも閲覧できるようになる予定です。
★秩父音頭と俳句の町みなの公式サイト
今も守り継がれる伝統 秩父の人形芝居が皆野町に大集合!!
12月8日(日)皆野町文化会館ホールにて、秩父人形サミット2019 in みなの が開催されました。
今年で7回目を迎える秩父人形サミット。横瀬の人形芝居、白久の串人形芝居、出牛浄瑠璃人形が一同に会するとあって、会場は多くの来場者で賑わっていました。
横瀬の人形芝居
横瀬の人形芝居の人形は70~80㎝程度。首、手、胴輪、衣装(着物)から成り立ちます。着物の背中の切り口から手を入れて操る「突っ込み式」で、一人遣いとなります。
上演前に横瀬人形芝居の人形、舞台についての説明がされました。
国内唯一の廻り舞台が特徴です。場面転換の際に舞台がぐるっと360度回転します。語りは、三味線を伴奏とした説経節(若松派)となります。
日高川入相桜より「清姫怨霊の段」が上演されました。
白久(しろく)の串人形芝居
白久の串人形芝居は、全国でも例を見ない二人遣いが特徴です。
主遣いが人形の支え棒を持ち、首につながる篠竹や引き栓を操作して、首(頭)や目、眉を動かして表情を付けます。手遣いは、竹串を操作して左右の手を操ります。二人の呼吸が要求される人形芝居となります。
白久の串人形は江戸末期に白久の豆早原(ずさばら)地区の人が、宴会で箸に手ぬぐいを巻き付けて人形にして、説経節に合わせて踊ったのが始まりと言われています。
「御所桜堀川夜討 弁慶上使の段」が上演されました。
出牛浄瑠璃(じゅうしじょうるり)人形
皆野町金沢出牛(じゅうし)地区は、かつて中山道筋の本庄・児玉方面から秩父へと続く重要な道筋で、かつては出牛宿として栄えました。
出牛の人形芝居は他の人形芝居よりも人形が80~90センチと大きく、三人遣いが特徴です。
主遣いが左手で人形の首を、右手で人形の右手を操ります。左遣いは人形に左手、足遣いは両足を操ります。
一帯を3人で操るため、修練を積まないと人形の動きがばらばらになってしまいます。3人遣いの操作により、より細やかな人形の動きの表現が可能になります。
出牛浄瑠璃は義太夫節で語られます。
明智光秀をモデルとした武智光秀が主人公の絵本太功記 「尼崎の段」が披露されました。
山間の秩父地方で受け継がれてきた人形芝居ですが、現在は上記3か所の人形芝居が伝統を受け継ぎ定期的に上演をしています。
埼玉県内ではもう一か所、三芳町竹間沢の車人形が今も上演可能です。
最終日に夏井いつき先生の講演会も開催されました
12月1日(土)~15日(土)の期間、皆野町文化会館にて開催された「ちちぶ俳句サミット」もいよいよ最終日、テレビの俳句コーナー、俳句甲子園で有名な夏井いつき先生の講演会が行われ、皆野町内外からたくさんの聴衆が集まりました。
オープニングのバイオリンとピアノによるコンサートでは秩父音頭のアレンジ曲が披露されました。
その後、夏井いつき先生の講演が約90分間、テレビ撮影の裏話や金子兜太先生との思い出話、俳句甲子園創設の苦労話など、笑いを交えながら話していただきました。
講演会の後は、俳句応募作品の優秀作品の表彰式が行われました。
ホワイエでは、夏井いつき先生が選評した秩父全域から集まった俳句作品289点の展示のほか、金子伊昔紅先生や金子兜太先生などの皆野俳句文化を築いた先人達のゆかりの品の展示があり、皆野町は俳句一色の一日となりました。
※取材にあたり、皆野町産業観光課様のご理解とご協力をいただきました。