2月15日、秩父市宮側町の武甲酒造株式会社では新酒が出来たことを知らせる伝統的な合図、「杉玉」が店舗軒先に吊るされました。
正式名称は「酒林(さかばやし)」と呼ばれ、良質な酒造りと神のご加護を願う意味が込められています。
酒蔵では毎年新酒ができる季節になると、青い杉の葉を束ね丸く刈り込んで杉玉を作ります。月日が経てば徐々に茶色く変わり、 鮮やかな緑色に蘇ったときが新酒が出来たサインです。
武甲酒造社長 長谷川浩一さんによると、「今年の厳しい寒さで、まろやかでふくらみのある味わいに仕上がりました」と誇らしげでした。
同酒蔵の杉玉はトラック1台分の杉の葉を集めて作られています。直径約75センチ、重さは約40キロにもなり大人ひと抱えもあるほどの大きさには圧倒されます。
かつてはどの蔵元でも蔵人が作りましたが、良質な杉の葉を手に入れにくいことや職人が減ってしまったことで外注制作が多く見受けられます。
しかし同酒蔵では、昔ながらの製法で二十日間ほどで仕上げるそうです。
※取材にあたり、武甲酒造様のご協力をいただきました。